後書き

世界の隅っこ

死んだ愛と底が抜けた柄杓

人間いつか骨になって、灰になって消えていく。人間一人一人にはそれぞれ人生があって、様々な生き方があって、成り立っている。 



いつか大切な人を亡くした時に、自分は何を思うだろうか。 三日三晩泣くだろうか、食事が喉を通らなくなるだろうか、何もする気が起きなくてベッドに横たわっているだろうか。


その人の目を、声を、口を、頬を、思い出しては、どう考えるか。



さよならを受け入れることが出来るかわからない。



人の命は儚いし、美しい事を人間は知らなければいけない。これは個人の意見であるが、これを知ることがまずは人を知る第一歩だと思う。



人から受けた愛を、僕はいつか底が抜けた柄杓で呑む事になる。




僕は今こんなよい月を一人で見ている。バケツ一杯の月光と共に。