二十歳
淡い橙色の夕暮れが、死にたいという感情を心の奥底から引きずり出してくる。
だがそれと同時に夕暮れは美しく心を震わせる。
死にたいだけの世界に何の意味があるかわからないが、それでも希望を追いかけて生きている。
今日はやけに雲が多い、あまり好きではない。
四月が終わる、五月が初夏の風を吹き荒らすのを横目に僕は酷く憂鬱としていた。
昨日深夜三時の薄暗いテレビの光が目の前にある中で、僕はただ画面を見続けていた。
「孤独であること、未熟であること、それが私の二十歳の原点である。」最近読んだ本にそう書いてあった。生きる事は難しい、生きていく事こそが、人生最大の課題だ。
「あの人は孤独だね」
表面だけの仲良し集団が言う、楽しそうに笑う人が言う、幸せに暮らす人が言う、僕が僕自身に言う。
僕は今日も孤独だ。