後書き

世界の隅っこ

あの娘のスカートと通学路

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高校生の頃、あの娘は僕よりも早く学校に行くから、いつも通学路を僕よりずっと前を歩いていた。

母校の派手なピンク色のデザインのスカートが後ろからでもはっきりと見えた。


どうせ今もどこかで元気に暮らしてるんだろうな。





中途半端に人を愛してしまったせいで、心に大きな穴が空いたまま数ヶ月を過ごしている。





埋めようにも埋められないこの寂しさを、どう乗り過ごしていけばいいかわからない。


随分時代と合わない人間になってしまった。




人の温もりを知ってしまったから、もう愛無しでは生きられない。





ベッドで横になる、死にたいという気持ちから目を背けている。息が出来ない、上を見上げたままで、虚無が隣で横たわっている。


社会の道から逸れた僕を世間は許してはくれないだろう。 



地球外生命体くらいになれば楽になれるかもしれない。



愛を買う、愛を買えば幸せになれるか、それはわからない。だが買わないよりはマシだろうか。




急いで買わなくちゃ。



そんな簡単に死ねないんだから、どうせすぐ朝になるんだからまた生きていこう。  





麻薬も、援助交際も、闇金も、不純異性交遊も、水商売も、生きていく為の手段だ。



加速していく空は青色、風が冷たい、初夏の匂いが窓に張り付く。

斜陽が世界に落ちていく。






中田ナも/青色の金魚

私いよいよ君と話せるようになってしまったのね
22歳の六月に君は麻薬でこの世を去った


未来や昔の話で毎日今日を生きられない
都会の空はいつも狭くて冷たい風が突き刺さる
割れた青いカプセルの音消えた火の光
外は暗くて私は独り君のアコギの弦を切る
肌の感触声の響きがまつげから離れてくれない
君が食べた麻薬を食べて会いに行くからね

残されたもの体の中で君へと変わり世界が動く
加速する世界は青色
早く人生が終わるように