あの娘のスカートと通学路
高校生の頃、あの娘は僕よりも早く学校に行くから、いつも通学路を僕よりずっと前を歩いていた。
母校の派手なピンク色のデザインのスカートが後ろからでもはっきりと見えた。
どうせ今もどこかで元気に暮らしてるんだろうな。
埋めようにも埋められないこの寂しさを、どう乗り過ごしていけばいいかわからない。
随分時代と合わない人間になってしまった。
人の温もりを知ってしまったから、もう愛無しでは生きられない。
ベッドで横になる、死にたいという気持ちから目を背けている。息が出来ない、上を見上げたままで、虚無が隣で横たわっている。
社会の道から逸れた僕を世間は許してはくれないだろう。
地球外生命体くらいになれば楽になれるかもしれない。
愛を買う、愛を買えば幸せになれるか、それはわからない。だが買わないよりはマシだろうか。
急いで買わなくちゃ。
そんな簡単に死ねないんだから、どうせすぐ朝になるんだからまた生きていこう。
加速していく空は青色、風が冷たい、初夏の匂いが窓に張り付く。
斜陽が世界に落ちていく。
中田ナも/青色の金魚
私いよいよ君と話せるようになってしまったのね
22歳の六月に君は麻薬でこの世を去った
未来や昔の話で毎日今日を生きられない
都会の空はいつも狭くて冷たい風が突き刺さる
割れた青いカプセルの音消えた火の光
外は暗くて私は独り君のアコギの弦を切る
肌の感触声の響きがまつげから離れてくれない
君が食べた麻薬を食べて会いに行くからね
残されたもの体の中で君へと変わり世界が動く
加速する世界は青色
早く人生が終わるように